おやつが無いということを聞かない
よく飼い主さんから
「おやつを見せないと言うことをきかない」
というお話を聞きます
WagsTailで行っている陽性トレーニングでは
ご褒美としておやつやおもちゃを使います
新しいことを教える時
始めのうちはおやつを持った手で誘導します
ステップ2ではおやつは持たずに誘導し
上手に出来たらご褒美をあげます
ステップ3では手の誘導から手の合図へと
動きを小さくしていきます
同様に上手にできたらご褒美をあげます
ステップ4では言葉の指示を言ってから
手の合図を出します
同様に上手にできたらご褒美をあげます
言葉だけでほぼ100%出来るようになれば
ご褒美は毎回あげるのではなく
ランダムに減らしていいきます
どのトレーニングもだいたいこのような
ステップを踏みますが
自信が無いとステップ2以降でも
おやつを手に持った状態で
合図を出してしまうんですね
最近読んでいた「エクセレレーティッド・ラーニング」
という本に「刺激のパッケージ」という表現があり
なるほど!と思いました
行動心理学の学問の世界では
行動を起こすきっかけとなるものを「刺激」
と呼びます
私はいつもわかりやすく「合図」と表現しますが
手の指示や言葉の指示も「刺激」ということです
犬からすると、見ているもの聞こえているもの
すべてが「刺激」つまり合図となっています
「おすわり」という時に
犬を覗き込むように言っていたら
その姿勢も含めて「おすわり」の合図となっているので
まっすぐに立って「おすわり」と言ったり
椅子に座った状態で「おすわり」と言ったら
違う合図が出されたと思って
指示がわからなくなるんですね
いつも片手におやつを見せながら
「おすわり」と指示していたら
その手の位置なども含めて「おすわり」
の指示なんです
見えているもの聞こえているもの
すべてひっくるめて
刺激(=合図)のパッケージ
トレーニングをする時は
極力、不要な動きや言葉は
排除しないと伝わりづらいのです
私もよくやってしまいますが
「おすわり」
「おすわりは?」
「おすわりして!」
などと余計な語尾をつけてしまう(笑)
みなさんも心当たりありませんか?